アルコール消毒の仕組み、知らないっしょ?

アルコール消毒の仕組み、知らないっしょ?

こんにちは、すなです。

今回は僕のトリビアブログです。

2020年からCOVID-19(≒コロナウイルス)が世界中で流行して、特に高齢者を中心に多くの重症患者を出しています。この記事を書いている僕はまだ20代なので統計的には重篤化の可能性が低いですが、実家のおじいちゃんとおばあちゃんがずっと心配です。

現在はいわゆるコロナ禍で、頻繁に「アルコール除菌」や「アルコール消毒」という言葉を耳にする様になりました。このとき僕は”アルコール消毒ってどういう仕組みで殺菌してるんだろ”って疑問に思ったので、今回は「アルコール消毒の仕組み」について書きました。

エンベロープの有無による分類

2020年から流行しているCOVID-19ですが、どうやらこれは感染症(=ウイルスによって引き起こされる病気自体)のことを指す用語らしく、この感染症をひこおこすウイルスは「SARS-CoV-2」という名前らしいです。多分このSARS-CoV-2に感染するとCOVID-19が発症する、っていうニュアンスですかね。

また普段僕たちが呼んでいる「コロナウイルス」も実はウイルスの総称の1つで、コロナウイルスにはSARS-CoV-2以外の他のウイルスも含まれています(普段風邪をひくときのウイルスもコロナウイルスに分類されているらしいです)。

ウイルスを分類するときに、そのウイルスに「エンベロープ」があるかないかで区別することがあります。

ウイルスにはエンベロープ(envelope)という膜で覆われているものとそうでないものがあります。「Envelope」は英語で「封筒」を意味する単語ですが、エンベロープウイルスはエンベロープの中にカプシド(=タンパク質の殻)と核酸(=遺伝子)を含んでいます(エンベロープがないウイルスはこれらが露出しています)。このエンベロープには突起がついているのですが、コロナウイルスはこの見た目が王冠に見えるため、王冠を意味するギリシャ語の「corona」から命名されました。

ちなみにエンベロープを有するウイルスを「エンベロープウイルス」といい(そのままです笑)、一方でエンベロープがないウイルスを「ノンエンベロープウイルス」といいます(これもそのままです笑)。有名なエンベロープウイルスにはインフルエンザウイルスが、ノンエンベロープウイルスにはノロウイルスがあります。

アルコールでエンベロープを破壊する

SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)もエンベロープを有しているため、エンベロープウイルスに分類されるのですが、このエンベロープは大部分が脂質で構成されています。よってエンベロープはアルコールなどの有機溶媒に溶けやすく、アルコール製剤の主成分であるエタノールで破壊されます。

エンベロープを破壊されるとウイルスは感染や増殖できなくなり、感染力を失います(=不活性化)。

上記の理由でアルコール製剤による消毒はコロナウイルスに有効だと分かっています。

逆にノンエンベロープウイルスはこのアルコール消毒に強く、アルコール製剤が効きにくいです。よってこれらのウイルスには塩素系消毒剤を用いて殺菌します。

他の方法によるエンベロープの破壊

有機溶媒を用いた消毒以外にもエンベロープウイルスを不活性化する有名な方法が存在します。それは石鹸による手洗いです。石鹸に含まれる界面活性剤はエンベロープの成分である脂質を分解して溶かすので、これもウイルスの不活性化に有効であるとされています。

【結論】

今回は「アルコール消毒がなんで有効なのか」について調べてみました。アルコールがウイルスを消毒する過程が気になっていたので、ある程度プロセスが理解できて良かったです。

でもまだ気になってるのは、「エンベロープを破壊すると殺菌できるなら、初めからエンベロープがないウイルスはどうなってるん?」ってところですかね。

5,6回目(?)の春休みなんで、発信がてらたくさん勉強していきたいですね。